



イヤホンを探していると必ず浮かんでくるのが「にゃす」たちのような疑問です。
イヤホンってどう選べばいいんでしょうか。
そもそも「良い音」って何なのか、「高級イヤホン」は何がすごいのか。
正直なところ、すべての人間に共通した「良い音」なんてものはなく、「多くのひとが良いと感じる」みたいな最大公約数的発想になるしかないんですが、
ひとつ、重要な「ヒント」になるものがあります。
それは「ドライバー」というものです。
ということで今回は、イヤホンの選び方として「ドライバー」に着目してみたいと思います。

ヘッドホンとイヤホンの比較はこちらにて解説しています。
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【もう悩まない】イヤホンvsヘッドホンどっちがいいか解説します【おすすめあり】
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「ドライバー」ってやつで何が変わるのか
もう「」をつけるのをやめますね。
ざっくり言うと、ドライバーとはイヤホンの性格を決めている部分です。
高音の表現が得意なヤツもいれば、低音が得意なヤツもいます。
ボーカルを耳元でささやくように表現するヤツもいれば、ステージの広さを再現するのが得意なヤツもいます。
こんな感じで、得手不得手がありますので、好みが分かれます。
イヤホン選び、音選びをするときは、まずドライバーを意識しましょう。

ドライバーの種類
音を決めるドライバーには2種類あって、ひとつは「ダイナミック型」というもの、もうひとつは「BA型(バランスド・アーマチュア型)」を用いているものです。
「ダイナミック型」はスピーカーのイメージですね。振動板を震わせて音を出すので、低音向きの型です。
振動版ひとつで広い音域が出せますので、コストパフォーマンスに優れています。
「BA型」は補聴器の技術を使っています。多くは高音向きの型です。
ダイナミック型と比べると、表現できる音域が狭いです。
そこで、「高音域専用」「中音域専用」「低音域専用」のように、ドライバーを役割分担させ、複数個のせてしまうという「多ドライバー」というイヤホンが開発されました。
「専用」としてしまうことで、性能特化ができますが、反対に価格が上がってしまいます。
高級機が高級たる理由はこれです。
続いて、それぞれのドライバーの特徴をご紹介します。
ちなみに…
ヘッドホンとイヤホンを、この「ドライバー」という観点で比べると、多くのパターンでヘッドホンの方が有利です。
なぜなら、①ヘッドホンのほとんどが「ダイナミック型」を採用しており、②「ダイナミック型」ならば、サイズが大きいほうが有利だからです。
太鼓をイメージしてほしいんですが、小さい太鼓よりも大きい太鼓の方が、鳴りが大きいですよね。
そんなわけで、同じ価格のヘッドホンとイヤホンを比べるならば、大抵はヘッドホンの方が「(曖昧な表現ですが)音が豊か」に感じられるはずです。
ダイナミック型の特徴:低価格~高価格
ダイナミック型の特徴を簡単にまとめます。
ダイナミック型の特徴
①低音の押し出しが得意
②空間的な表現が得意
③広い価格帯から選べる
④音の分解が苦手
★総じて、ロックやコンサート音源、クラブミュージック系の音源が得意
低音の押し出しについては、言葉の通りなので省略します。
「空間的な表現」ってなんぞな?となりますが、いくつか想像をしてもらいましょう。
いま、あなたは大好きなバンドのライブステージをホールのど真ん中で楽しんでいます。
曲中、メンバーのひとりが観客をあおりにきました。
「観客席!盛り上がっているか!?」
いえーい
「右半分!盛り上がっているか!?」
いえーい
「3階席!盛り上がっているか!?」
いえーい
はい、ストップです。
右半分(ステージを見ている自分からすると左側)の観客と3階席の観客がそれぞれ声を出しましたが、この「声の出所」がしっかり表現できれば、「空間的な表現が得意」といえます。
「声の出所」というのは、遠近や高低、反響といったものです。
近くの観客の声、遠くの観客の声、ホールの反響あるいはスタジアムの音のヌケ。よくわかりますよ。
フルオーケストラのコンサートの想像でも同じです。
どの楽器が、左右どちらからか、手前側の楽器なのか奥側の楽器なのかがわかりやすく表現できます。
低音表現が上手という特徴とあわせると、ロックやコンサート音源、クラブミュージック系の音源が得意です。
一方で、音の分解が苦手な機種があります。音がダンゴになりがちなやつ。
いわゆる「こんな音がなってたんだ!」という驚きを得るためには、イヤホンよりもお金がかかります。
コストパフォーマンスに優れていて、幅広い価格帯から選べるのも大きな魅力です。

BA型の特徴:高価格
BA型の特徴をまとめるとこうなります。
BA型の特徴
①高音の表現が得意
②音の解像度が高い
②空間的な表現が苦手
③高級である
④イヤホンにのみ採用
★総じて、女性ボーカルや管楽器の表現が得意
ダイナミック型の特徴の裏返しですね。
補聴器の技術を生かしているので、人の声やそれ以上の高音の表現が得意です。
キラキラした高音。
女性ボーカルをきれいに聞きたいという方や、管楽器の音を楽しみたい方に向いています。
ボーカルのブレス(息継ぎ)が耳元で聞こえるので、思わずはっとします。
また、音の解像能力が高いです。
いわゆる「こんな音があったんだ!」の驚き体験を得やすいのはこちらのタイプ。
私は何度も驚かされました。10代の時に聞きまくったアルバムをすべて聞き直したほどです。
BA型は「音域の役割分担をしている」とお話ししましたが、高音特化ではなく、「フラットな音域」に調整することで、超解像の「モニターイヤホン」もつくれてしまうのです。
わたしがずっと愛用しているのはこの「モニターイヤホン」タイプです。
反対に、空間的な表現や低音の表現が苦手なので、コンサート系の音源が苦手です。


高級イヤホンの高級な理由
高級な理由、簡単にいえば、性能特化&弱点克服です。
性能特化は文字通りです。BA型の場合、ドライバーの性能だけでなく、ドライバーの数が多くなることで価格が上昇します。
弱点克服、というのはつまり「ハイブリッド型」にしてしまうということ。
ダイナミック型+BA型=???
答えはこうです。
BA型の「ドライバーの数を増やすことで表現力や解像度を高める」という特徴に加えて、「ダイナミック型の機構も足して低音や空間表現を補おう」という具合。
私のイヤホンはまさにこれ(生産終了しています)
このシステムは発売当初より10万円を超えた価格設定になっています。
イヤホンに10万…
しかしご安心を。
最近はハイブリッド型も価格が抑えられてきました。
まとめ&けぶろぐの編集後記
ということで今回は「イヤホン選びのコツと高級イヤホンの何がすごいか解説します」についての記事でした。
BA型を選ぶと高額になりがちですが、はじめての方にとっては驚きが多い音になると思います(音が好みかは別の問題)。
当記事がイヤホン選びのヒントにしていただければと思います。
この記事の〆としてはこんな感じでふんわりした具合ですかね。
★今回の記事でご紹介したアイテムはこちら
ダイナミック型
SHURE イヤホン SE215 Special Editionトランススルーセントブルー
ゼンハイザー プロフェッショナルモニタリングイヤホン IE 40 PRO Black
バランスド・アーマチュア型
ハイブリッド型
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